コンセプト

1. 那覇市の情報通信産業振興の方向性について

沖縄県では、平成10年に沖縄県マルチメディアアイランド構想を掲げるとともに、平成14年から施行した沖縄振興計画において、沖縄県情報通信産業振興計画を3次にわたり策定し、沖縄県の情報通信関連産業振興の推進を図ってきました。その結果、県内に数多くの企業が立地し、多くの雇用と経済効果をもたらすとともに特定分野において我が国有数の情報通信産業集積拠点としての価値を創出してきました。

今後、この地力を活かし、アジア太平洋地域を結ぶ交流の場として、人、モノ、金、情報が行き交う情報通信分野における交流・連携のハブ、集積地としてさらなる発展を期し、前述の沖縄県マルチメディアアイランド構想の後継となる「おきなわSmart Hub 構想」を平成25年3月に策定し、沖縄21世紀ビジョン基本計画の施行に合わせた沖縄の情報通信関連産業の継続的な成長を達成するための基本方針と実行計画を定めて取り組んでいます。

沖縄県が展開してきたこれらの施策により、本市は、当該分野の企業立地が大きく進み、商都として栄えてきた歴史からビジネス交流の拠点として、また、空港や港湾に近接している点からも立地企業のヘッドクォーターオフィスとしての機能(本社機能)が重要視されています。

本市としては、市域への県外企業の立地誘致(誘致による企業集積)を展開しつつ、那覇市IT創造館等の共同利用型インキュベート施設を中心とした創業支援施策を進めています。併せて、雇用の拡大と処遇等の改善を推進するための人材育成等の施策(人材集積)を進めています。

 

2. 那覇市IT創造館における創業支援の在り方

那覇市IT創造館を運営する行政の投資目的として、以下の3区分に分類できます。

(1) 優良企業とされる中核企業には雇用と税収の確保を目的に経営の維持に対する優遇措置

(2) 将来の優良企業(中核企業)の育成を目的にインキュベート企業の成長の促進を図る投資

(3) 法人化準備期の段階にある者に対して初期リスクの低減を図り法人化を促進する救済(セーフティ)措置

下図に示すとおり、企業の成長ステップは、法人化準備期からインキュベート企業、そして中核企業へと成長し、企業誘致の領域は、中核企業~インキュベート企業が範囲となります。創業支援の主たる領域は、法人化準備期からインキュベート企業を範囲として、その境界領域へは重点的な支援が求められ、企業ニーズも高いものとなっています。

那覇市IT創造館における創業支援は、この境界領域を支援重点領域として明確に打ち出し、同時にインキュベート企業の成長過程の個々のニーズに合致した支援メニューを提供してまいります。